写真:HEXACT (Universitat Stuttgart)
写真:Urane SX (RENAULT)
INC
SERVO
PARA
DBM
 
パラレル機構工作機械:概説
従来の工作機械の送り駆動系とは完全に異なり,パラレル・リンクにより駆動される新しい機構の工作機械のサーボ制御について研究しています.

写真:オークマ(株)製パラレル機構工作機械,Cosmo Center PM-600.写真はオークマのホームページより引用.本研究室のパラレル機構工作機械に関する研究はオークマとの共同研究です.クリックすると拡大されます.
 

  現在の工作機械の多くは,互いに直交する送り駆動軸を基本としている.パラレルメカニズム構造の工作機械は,それとは全く異なり,回転ジョイントとリンクにより機械を駆動する.この構造を持つ6軸加工機であるHexapodと称する機械が,Ingersoll社とGiddings and Lewis社から1994年に最初に発表された.

 
スチュワート・プラットフォームのパラレルメカニズム機構 スチュワート・プラットフォームの構成

Figure: A Stewart Platform Parallel-link Mechanism

  上図は代表的なパラレルメカニズム構造である,スチュワート・プラットフォームを用いたHexapod型工作機械の模式図である.これは伸縮する6本の軸を有し,それぞれの一端は2自由度のジョイントをもつベースに取付けられている.他端は主軸を内蔵したプラットフォームに3自由度のジョイントで取付けた構造である.下部のプラットフォームに取り付けられた主軸の位置・姿勢を,6自由度制御することができる.

  パラレル機構工作機械に対する研究・開発は90年度以降活発に進み,見本市などでは世界中のメーカが,様々な構造を持つパラレル機構工作機械を発表してきた.以下は,そのうちの幾つかの例である.

 
 
写真:Cosmo Center PM-600, オークマ.
 
 
写真:HexaM, 豊田工機.
(a) Okuma's Cosmo Center PM-600   
(b) Toyoda Koki's HexaM
 
 
写真:Tricept by Neos Robotics.
 
 
写真:ECLIPSE by SENA TECHNOLOGIE.
(c) Neos Robotics' Tricept.   
(d) Sena Technologie's ECLIPSE.
 
 
写真:Ingersol's Hexapod.
 
 
写真:Hexel's Tornado.
(e) Ingersol's Hexapod.   
(f) Hexel's Tornado.
 
Figure: Examples of Parallel-link Machine Tools,
Sources: (c,e,f) from Ford Research Laboratory's technical reports.
(a,b,d) from the manufacturer's catalog.
 
 

  しかしながら,一般の工場で稼動しているパラレル機構工作機械は極めて少ないのが現状である.パラレル機構工作機械に共通する問題として,以下のような点が挙げられる.

  • 運動精度: パラレル機構の場合,主軸頭の位置は一般的にモータの回転角度から間接的に推定される.そのため,高精度な制御を行うためには,ストラットの長さ・ジョイントの位置などの機構パラメータを正確に同定することが必要不可欠となる.また,その構造から重力による変形の影響を受けやすく,特に稼動域の端近くで駆動する場合,シリアル機構の送り駆動系と比べて運動精度は大きく劣る.
     
  • 剛性: 主軸をストラットで支える構造になっていることから,シリアル機構工作機械に比べて,切削力などの外乱に対する剛性が小さい.アルミなど柔らかい材料の加工にしか使われない場合が多い.

  本研究室では,上記のような問題を改善することを目的として,パラレル機構工作機械のサーボ制御に関する様々な問題に取り組んでいる.
 

オークマ(株)「Cosmo Center PM-600」

Figure: Okuma's Cosmo Center PM-600

 
  なお,本研究室のパラレル機構工作機械に関する研究は,オークマ(株)との共同研究である.実験には,同社のパラレル機構工作機械「Cosmo Center PM-600」を用いている.上の写真は我々の実験機(外観はこのページのタイトルの右の写真を参照).

  以下のページでは,パラレル機構工作機械に関するプロジェクトの,これまでの研究成果の一部を紹介します.より詳細については,論文を参照,または電子メールにて本研究室まで問い合わせてください.(2002年10月)